良いショットは打てても、どうすれば良いショットが出るのか上手く説明できる女子プロゴルファーは数少ない。トーナメントでプレーすることが職業で、語ることより良いショットと良いスコアが出ればそれで十分だからだ。不動や古閑を育てた清元登子のようにプレーヤーとしても指導者としても一流と言うのは稀である。
特に現役中は自分のプレーに集中して、プロ同士仲間のスイング云々にはお互いに触れない。またプロにとってスイングのコツは企業秘密であることも確かである。
ライバルに取って置きのコツなどを教えることは、自分の首を絞めるようなもの。 しかし、アマチュアに対しては別である。少しでもゴルフが楽しめるように寛容である。
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モーションアナライザーに大型モニターをつないで行ったレッスンイベント |
先日あるプロアマゴルフ大会のイベントでレッスン会があり、ゴルフスタジアムから私がお手伝いに行った。現役のプロ達にとってトーナメント翌日のプロアマの仕事は厳しいが、そこは人気上昇中の女子プロ、アマチュアのお客様に喜んでいただけるならと疲れも見せずプレーしていた。
プレー後、先輩に敬意を表してくれたのか、レッスン会場には何人かの女子プロ達がにぎやかしに顔を出してくれた。福嶋晃子、木村敏美が生徒のようなまなざしで二人並んでいるのを見つけ、折角なのでお客様へのアドバイスを是非と頼んでみたところ、木村プロが飛び入りで参加してくれた。トッププレーヤーのスイングの要点やコツは仲間同士でもなかなか聞けないので、参加したお客様以上に私の方が興味を持っていた。
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実際にクラブを握り アドレスの要点を説明する木村敏美プロ |
印象に残ったアドバイスを一つご紹介したい。
スイング中の体重移動についてであるが、
「ゴルフスイングは、とかく回すことのイメージが先行して動きを難しくしている。
右に体重をかけるとは単純に右足に力を入れるだけ、左も同様。
つまり、バックスイングで右足に力を入れ、ダウンスイングで左足に力を入れてみる」
体重移動なんてそんなもの、ただ体重を移動させようとしたらスエーになってしまう、と形を交えて説明してくれた。
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スイング中の体重移動について 身振りを交えて説明する木村プロ |
お客様は初めはどうやってやるの? と言う顔をしていたが、木村プロの簡単な指導で「おー、なるほど」とうなずいていた。
実践でやってきた裏づけからか自信ある一言には迫力がある。冒頭でトーナメントプレーヤーに教え上手が少ないと言ったが、木村プロのわかりやすいレッスンの数々に触れトーナメントプレーヤーならではのアドバイスに感心しきりだった。
(ちなみにこのコラムの更新日の11月4日が、偶然にも木村敏美プロの誕生日であった。
HAPPY
BIRTHDAY!!)
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