ゴルフ用品の進化は目覚ましい。 特にクラブ、そしてボール。
ついこの間まで流行っていたものがもう中古屋さんに出回っている。
息の長いものもあるが、どんどん市場は目先が変わる。
メインのクラブやボール以外の用品も、まだまだ開拓の余地があるのか「へーと思う」商品が次々に出てくる。その一つにグリーン上でボールをマークするボールマーカーがある。

写真のハットクリップはここ数年で大流行。 私は両手の手袋をしているので小さなマーカーをポケットから一つ取り出すのに結構手間がかかる。自分の面倒さより、時間が余分にかかることはまわりに迷惑で気が引ける。
その点このハットクリップは大変便利なアイデア商品だと思う。
デメリットと言えば土台だけ残ってマーカーをどこかに落としてしまうくらい。 私のハットクリップ、ほとんどマーカーは別物になってしまっているが問題はない。
マーカーもここまで来るにはいろいろな歴史がある。 ご存知の方は少ないと思うが、私がゴルフを始めた頃(昭和30年代後半)のボールマーカーは「赤い毛糸」だった。マークする時にはボールの後にこの毛糸を数本置くのである。 毛糸は2センチくらいに細かくカットされ、スタート小屋のカウンターにスコアカードと一緒に置いてあった。

プレーヤーはスタート前に皆その赤い毛糸を手袋の留めに挟んで出かけるが、コースではいろいろなことが起こっていた。赤くて目立つ色とは言え毛糸は風の日には飛んでいってしまう。雨の日には誰かのボールにくっついて他の場所にいってしまう。 ノーペナルティーで元の位置に置きなおしはできるものの、グリーン上ではみんなどたばたしてしまう。でも皆笑って、その光景は面白かった。 そしていつの間にか「赤い毛糸」のマーカーは姿を消した。その以前から赤い毛糸以外に、一寸お洒落な人は外国のコインを使っていた。
現在ルールブックには「マーカーは小さなコインや同様なものを含む」とだけ記してあり厳格に規定はされていない。今さら赤い毛糸でやってみる気はしないが、今そうしたらそれ何? と周りの人は不思議がることと思う。
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