夢を形にした昔の財閥、大倉喜七郎。古き良き時代の産物は時を経て多くの人の憧れの地として今も健在である。川奈は以前、宿泊しないとプレーはできなかった。 それもそのはず、ホテルの付属設備としてのゴルフコースなので当たり前なことである。 ホテルを利用するお客様のための施設はゴルフの他テニスコート、プールなどがある。
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川奈ホテル メインダイニング |
まったく個人的な好みであるが、私は川奈で一番好きな時間はダイニングルームでとる朝食の時である。重厚感のある落ち着いたメインダイニングルーム、広めなベランダの向こうには海が見え、すがすがしい朝の光が燦々と輝いている。 せっかちな私が唯一のんびり時間をかけ時を楽しむことができるのだ。
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お気に入りのダイニングでの朝食 (筆者中央、左は母) |
川奈ホテルには隠れた素敵なところが沢山ある。 吹き抜けになっているメインロビーから見える2階にはちょっとしたライブラリーがあり大倉家からの寄贈の書籍類をはじめ、日本のトップ企業の100年史、120年史また1870年代創立の社史など普段見る機会が無いものがずらりと並んでいる。
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クラシカルなメインロビー
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雨の日には室内ゴルフレンジもあり、ゴルファーにとっては内でも外でも球は打てると言うことである。
地下の廊下には開業当時の川奈の風景やM・モンローがJ・ディマジオと訪れた時のスナップ、大倉喜七郎が愛車のメルセデスで猪苗代湖畔の有栖川別邸に伊藤博文らと一緒に行ったときの写真などが壁に飾られ、これまた特別な世界を間近に見ることができる。 他では味わえない川奈ならではのものである。
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ライブラリーで見つけた1876年創立当時の三井銀行(筆者撮影) |
年々新しくて素敵な施設が次々に誕生している昨今であるが、どんなに贅を尽くしてもかもし出せないものがある。 それはその生い立ちや歴史、そしてそれを伝承していく姿勢である。
古き良きものと新しい合理的なものが共存している今、どちらも選べるよき時代である。 行きたい時にどこにでも気軽に行けるよう、友人との積立貯金は10年来続いている。
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